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 更新日:2003.12.12
20バルブ オーバーホール
+経緯
Nittaくんのハチロクはエンジンの調子が悪いらしくフルチューン化する計画が出てきました。しかしその間、車に乗れないのでツナギとして格安でAE111のエンジンをGET。一応、降ろすまでは動いていたとのことですが、心配なのでバラして一通り見てみることに・・・
しかし肝心のNittaくんは忙しくて時間が取れないため、代わりに私がやることになりました。あくまでツナギエンジンなので大した事はしないと思います。参考になることは少ないと思います。
バラしてみて、あまりにも状態が悪ければ中止するかも・・・

+使用工具
ダブルヘキサゴン12
トルクアングルゲージ
14コマ 12ポイント
+作業工程
購入時の状態 1. エンジンの状態

購入時の状態はこんな感じ

まずは4スロを外し、クランクプーリーのボルトを緩め、フライホイールも外します。水周りも外します。
タペットカバーを外す
2. バラす

タペットカバーを外し、イン側のカムを外します。ヘッドボルトをダブルヘキサゴン12で外し、ヘッドとブロックに分けます。

推定走行距離30,000km。かなりキレイな部類に入ると思われます。このままの状態で載せたほうがよかったんじゃないかと思うが、ピストン上部と燃焼室のカーボンの蓄積が多すぎるのが心配。

ヘッドとブロックに分けると車のトランクにも入ります。
3. 移動

分ければ、86・2ドアのトランクに十分入ります。

バラさない状態だと、入らないことはないですがトランクが閉まりません。また人力で持ち上げることは不可能なのでチェ−ンブロックなどが必要になります。

ヘッド
4. まずはヘッド

バルブ回りをバラしてきちんと整理しておきます。過去に一度20バルブのリテーナーが割れていたことがあるので、キズやヒビなどチェック&洗浄。
面研 5. 0.05mm面研

ガスケットの跡をとるのが面倒なので面研しました。エンジン洗浄ガンでシンナーを吹き付け、エアガンでしつこいくらいエアブローします。面研・洗浄後の画像はこちら

バルブ洗浄。
オイルポンプ分解 6. オイルポンプ分解・組付

今回4AGZの新品を買いました。なぜか86のものより3,000〜4,000円くらい安いので心配になりバラして様子を見、ペーストをたっぷり塗って組み付けました。ボルトにはネジロック使用。

バルブステムオイルシール 7. バルブステムオイルシール取付

INとEXで微妙に違うので間違えないように取り付けます。私は自作SST(片方は16バルブ用、反対は20バルブ用にしてます)を使ってガイドに差し込みます。SSTがなくても4.9mm以下の棒などで代用できます。

バルブ 8. バルブ組み付け

必要なもの:ピンセット・マグネット・バルブスプリングコンプレッサー

バルブスプリングの識別マークはカム側(上)です。こんな感じでこつこつ20個やりましょう。(写真はまだ途中までしか出来てませんが)

シム調整 9. シム調整

現状の測定結果です。
              基準値 IN:0.19〜0.29mm  EX:0.39〜0.49
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
IN 0.27 0.26 0.28 0.27 0.26 0.28 0.28 0.27 0.28 0.29 0.26 0.29
EX 0.47 0.48 0.47 0.48 0.50 0.49 0.52 0.52

シム調整について詳しくはこちら→20バルブシム測定&調整

凹んだオイルパン 10. オイルパン-凹

オイルパンが、やられてます。ドラシャのグリス付き。
オイルパンカッターは、持ってないのでスクレイパーで代用しています。バッフルの歪みは必ず取りましょう。
洗浄の時は、シンナーを使わず灯油で洗っていますが、黒色が剥げたら全部落として、鉄状態にしています。  

カーボンだらけのピストン 11. ピストン

カーボンだらけのピストン。なかなか落ちないので苦労します。

←画像をクリックすると拡大画像が出ます。
ピストン&コンロッド 12. ピストンリングは、新品を使用します。
メタルは、再使用します。AE111のコンロット、この華奢なのが大好き。

←画像をクリックすると拡大画像が出ます。
ブロック塗装前 13. 腰下パーツ洗浄


ブロック塗装
クランク組み付け 14. オイルノズル取付
 15708-16010 ×3
 15708-16020 ×1  \840
  締付トルク:250kg・cm

メタル組み付け
 今回は再使用。
 クランクシャフトベアリング下穴径選択符号(ブロックに刻印)
   2・2・2・3・2
 クランクシャフトジャーナル径選択符号(クランクに刻印)
   2・1・1・2・2
 使用メタル(足し算するのを忘れないように)
   4・3・3・5・4

クランク組み付け
 3→2→4→1→5の順番で締め付けます。
  締付トルク:610kg・cm

ピストン・コンロッド組み付け 15. ピストン・コンロッド組み付け

ピストンリングのみ新品使用。
  1・1・1・1  CD・CD・CD・EF
フロントマークに気をつけて組み付けます。

  コンロッドは3kg・cmで締めてそこからさらに90度締め付け。
上死点 16. 圧縮上死点

AE101用タイミングプーリーを使用したため、凸マークと切り欠きの位置がずれました。上死点はしっかり確認しておきましょう。
←画像をクリックすると凸マーク部分の画像が出ます。

タイミングプーリー比較(86と101)
86用を使用すると上死点が合いますが幅(写真では高さ)が変わります。
+購入品・使用パーツ
購入品・パーツ名 メーカー等 品番等 単価 数量 金 額 備  考
EXマニ側Wアウトレット G/K トヨタ純正 16341-16040 170 1 170
ウォーターインレット G/K 後ろ トヨタ純正 16325-16020 600 1 600
ウォーターポンプINマニ側 G/K トヨタ純正 16326-16010 250 1 250
オイルポンプASSY トヨタ純正 15100-19036 11400 1 11,400 4AGZ
カムオイルシール EX トヨタ純正 90311-35022 240 1 240
カムオイルシール IN トヨタ純正 90311-40015 280 1 280
タイミングベルト トヨタ純正 13568-19035 3,580 1 3,580 AE101
タイミングベルト  アイドラ トヨタ純正 13505-16021 3,980 1 3,980 AE101
タイミングベルト アイドラボルト トヨタ純正 90105-10334 120 1 120 AE101
タイミングプーリー トヨタ純正 13521-16060 1,340 1 1,340 AE101
タイミングベルトバネ トヨタ純正 90507-19003 140 1 140 AE101
タイミングベルトピン トヨタ純正 90249-06006 120 1 120 AE101
デスビ Oリング トヨタ純正 90099-14127 240 1 240
バルブシール NO.1 トヨタ純正 90913-02092 260 8 2,080
バルブシール NO.2 トヨタ純正 90913-02093 260 12 3,120
リヤオイルシール G/K トヨタ純正 11383-16010 250 1 250
リヤオイルシールリテーナ トヨタ純正 Y1306 90311-70007 1,080 1 1,080
ピストンリングセット トヨタ純正 13011-16350 10,800 1 10,800
Oリング(INカム先端) トヨタ純正 90301-14007 130 1 130
シールブラック トヨタ純正 V9350-0113 2,700 1 2,700
0.8mmヘッドガスケット TRD 11115-AE001 7,000 1 7,000
ウォーターポンプ Oリング トヨタ純正 96761-24035 120 1 120
オイルパンドレンG/K トヨタ純正 90430-12031 80 1 80
フライホイールボルト トヨタ純正 90105-10076 200 4 800 86純正
フライホイールボルト トヨタ純正 90105-10030 330 4 1,320 18RG
ヘッドカバーG/K トヨタ純正 11213-16021 850 1 850
ヘッドカバーシールワッシャ トヨタ純正 90210-09016 140 3 420
消費税 2,660
55,870
+感想
洗浄して、よく見て組み付ける作業ですが、やるのとやらないのとでは違うと思います。
中古格安エンジンなので、ヤフオクなどで買うよりはバラシテも安いと思います。
様子見です。今は元気に島根某所を走り回っています。日々フりーダムの設定変更に試行錯誤しているはずです。
試乗させてもらいましたが、私の16Vより全てに上です。水や点火に手間がかかりますが、1度20Vにしてしまえば使いまわしがききますのでお勧めです。16Vならパーツ30万円かけて同じぐらいかな?
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